
今回の記事では人類最古の遺跡「ゴベクリ・テペ(ギョベクリ・テペ)」について書いていきたいと思います。
Göbekli TepeのGöは日本語の「ゴ」の音のほうが近いです。発音
ゴベクリ・テペは「文明」としては定義されませんが、文明が始まる前段階で、集団生活の礎となる信仰や儀式が果たした重要な役割を示す遺跡です。
この遺跡の発見の経緯も面白いのでそれも併せて書いていきます。


1. 最初の発見
ゴベクリ・テペの存在が最初に注目されたのは、1960年代のことです。当時、トルコ南東部のシャヌルファ(Şanlıurfa)県の近くにある高台に、考古学者でない地元の人々が古代の遺物を見つけたと報告しましたが、当時はこの場所に特別な注目はされませんでした。
2. 再発見と発掘開始
本格的な遺跡発掘が始まったのは、1994年に遡ります。ドイツの考古学者、クラウス・シュミット(Klaus Schmidt)が、この遺跡に関心を持ち、再度調査を行った結果、ゴベクリ・テペの本格的な発見がなされました。
シュミットは、トルコの考古学調査団と共に遺跡を再調査し、これは単なる小さな遺跡ではなく、非常に重要な宗教的・社会的な意味を持つ場所であると認識しました。
ここまではWikipediaとかに書かれている話です。
本当の見つかった経緯について書いていきます。
1984年、羊飼いであるシャファク・ユルドゥズ(Şafak Yıldız)は畑を耕している際、大きな石を見つけました。
彼はそれが価値のあるものかもしれないと考え、馬車に石を2つ積み込み、トルコ最大級のシャンルウルファ考古学博物館を訪れました。
しかし、当時の館長で歴史教師だった人物は、「普通の石灰岩で価値がない」と判断しました。
ユルドゥズは、持ち帰ることなく50キロもの重さがある2つの石を博物館の庭に捨てていくことにしました。
そして月日は流れ、1992年にドイツの考古学者クラウス・シュミットが古代都市ネヴァリ・チョリ(Nevalı Çori)での発掘調査の際、この博物館を訪れることになります。
庭に放置された石を目にしたシュミットは大変驚き、貴重で価値のあるものだと直感しました。彼はすぐに年代測定を行い、その結果、石がなんと12000年前のものであることがわかったのです。
これは、エジプトのピラミッドよりも7500年も古いものでした。
こうして、歴史上最も重要な考古学的発見の一つであるギョベクリ・テペの発掘が始まったのです。
ここで思うのは、「もしユルドゥズが博物館に石を捨てていなかったら?」「もしシュミットが庭の石に目を留めず、その価値に気づいていなかったら?」ということです。
人類の歴史で最も古い遺跡の発見は、偶然の出来事でもあり、また運命的な出会いでもあったのかもしれません。
いま書いた内容は以下の2つの記事の内容を要約し、意訳したものです。
https://www.reformhaber.com/klaus-schmidt-safak-yildiz-gobeklitepe
動画は上の記事と発見の経緯が違いますが遺跡の紹介をしているので、気になる方は。
3. 発掘の詳細と発見
シュミットとそのチームは、ゴベクリ・テペの遺跡に多くの大きな石柱が円形や楕円形に埋め込まれていることに気づきました。
石柱の直径は約2~3メートル、高さは最大6メートルに達し、重さは10~20トンに及びます。
また、石柱にはライオン、ヘビ、イノシシ、鳥などの動物や象形模様が彫られており、これが宗教的な儀式や祭りに関わる場所であったと考えられています。
シュミットは、ゴベクリ・テペが新石器時代初期、つまり農業が普及する前に建設された可能性が高いことを示唆しました。この発見は、「文明の起源」に関する従来の常識を覆すものであり、世界中の考古学者に大きな影響を与えました。
4.発掘調査の進展
その後も発掘は進み、遺跡の規模が次第に明らかになっていきました。ゴベクリ・テペは、現在知られている最古の宗教的建造物とされ、農業以前の狩猟採集社会において、これほど大規模な建造物が築かれたことは驚きでした。
敷地はおよそ15ヘクタール(約150,000平方メートル)にわたり広がっていますが、調査が進んでいるのはその一部にすぎません。発掘により、遺跡が複数の段階を経て建設されたことがわかり、動物の骨や食物を扱った痕跡も見つかっています。これにより、ここで祭りや儀式が行われていた可能性が示唆されています。また、近隣の人々がこの地で集会を開くために集まっていた可能性も高いと考えられています。
5.ゴベクリ・テペの重要性
従来、宗教施設や大規模な建築物は農業が発展した後に作られると考えられていましたが、ゴベクリ・テペは、農業以前の時代にも人類が集まり、精神的・社会的な活動を行っていた証拠を提供しています。この発見は、文明の起源に関する理解に大きな影響を与えました。
さらに、石柱に刻まれた象徴的な模様や独特のデザインは、古代の宗教や社会構造に関する謎を解く手がかりとして、考古学者たちの関心を引き続き集めています。
現在も発掘調査が続けられ、多くの謎の解明が期待されています。
6.最後に
ゴベクリ・テペは、その神秘的な性格から多くの考古学者や歴史家にとって今なお謎に包まれた遺跡です。
新石器時代最古の宗教的建造物とされ、文明の起源に関する新たな視点をもたらしました。これにより、私たちは人類の歴史を再考する機会を得ているのです。
ゴベクリ・テペの特徴としてT字の石が挙げられますが、鳥居と何か関連あったりもするのかなと思ったり。
今回も読んでいただきありがとうございました。
この世界はまだまだ解明されていないことや謎で溢れていますので、一緒にこれから探求していきましょう。
シェアをしていただくことで、読者も増えて私のモチベーションアップにもつながります。
記事の量や更新頻度も上がるかと思いますので是非、ご支援・ご協力お願いいたします!
Enlightened Circle|Wisdom-Across-Time
シャンドラの灯をともせェ‼‼

@plusultra13フォローもお願いいたします!